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名古屋地方裁判所 昭和45年(ワ)1307号 判決 1971年12月27日

原告

浅田チエ

原告

川口房子

原告

杉浦好永

右原告三名代理人

寺沢弘

被告

河本製機株式会社

右代表者

河本喜八郎

右被告代理人

大脇松太郎

ほか三名

主文

被告会社の昭和四五年二月二二日春日井市天神町一番地河本製機株式会社春日井工場会議室で開催した定時株主総会における別紙議事録記載第(2)号議案に対する決議はこれを取消す。

原告のその他の請求はこれを棄却する。

訴訟費用は二分して、その一を原告、その一を被告の負担とする。

事実

第一、当事者の申立

一、原告の請求の趣旨

1、昭和四五年二月二二日春日井市天神町一番地河本製機株式会社春日井工場会議室において開催せられた被告会社の定時株主総会における別紙議事録記載(2)号議案に対する決議はこれを取消す。

2  前項の株主総会における別紙議事録記載第(4)号議案に対する決議は無効であることを確認する。

3  訴訟費用は被告会社の負担とする。

二、被告の求めた裁判

1  原告らの請求はこれを棄却する。

2  訴訟費用は原告の負担とする。

第二、当事者の主張

一、原告の請求原因

(一)  原告らはいずれも被告会社の株主である。

(二)  被告会社は昭和四五年二月七日原告等に対しそれぞれ左記の定時株主総会招集通知を発した。

日時 昭和四五年二月二二日(日)午前九時

場所 春日井市天神町一番地

河本製機株式会社春日井工場会議室

会議の目的とする事項

(1) 第五八期(昭和四三年一二月二六日から昭和四四年一二月二五日)営業報告貸借対照表損益計算書、利益処分案承認の件

(2) 定款の一部変更の件

(3) 役員改選の件

(4) その他

(三)  右総会招集通知の会議の目的たる事項(2)の記載は極めて不備である。「定款の一部」とは第何条か、一条か数ケ条か不明だし、「変更」とは、条文の追加か削除か改変か不明である。これでは株主が総会において決議すべき事項又は議案が何であるかを予め知り、表決に備えることができない。通知における記載の完備、不備は、通知上の記載だけで判断すべきであつて、株主総会に出席すれば、わかるというのではいけない(商法第二三二条、第二項、第三四二条、第二項参照)。同(4)の記載は会議の目的の記載が全然ないのと同じことで、右総会招集手続は明らかに法令違反である。「その他」の記載が「定款の一部変更」よりも不備である。

(四)  右法令違反の総会招集手続にもとづき第二項の日時、場所において開催せられた被告会社の定時株主総会においては別紙議事録記載のごとき決議がなされた。

(五)  それで、原告らは商法第二四七条にもとづき別紙議事録第(2)号の決議取消の訴に及ぶ。

(六)  別紙第(4)号議案の決議は商法第二三〇条の二に違反する。被告会社の定款には、通常の新株発行の場合は商法第二八〇条の二の第一項の各号の全部にしろ又は一部にしろ株主総会がこれを決する旨の定めはないので(乙第二号証)、取締役会の専決事項である。従つて、右第(4)号決議案は、商法又は定款に定められた事項にない事項に関する決議となるからである。

(1) 原告らは被告会社の株主であるから、株主総会の決議が有効に成立すれば原則として各株主はその決議に拘束されるので、無効確認の主観的訴の利益がある。

(2) 原告らは次のとおり無効確認の客観的訴の利益がある。第(4)号議案の決議の内容は、一株当りの純資産が約二八三円であるのにかゝわらず、新株一株当り五〇円で出席した七名の株主にだけ発行割当をした。同割当は一〇名の株主の内、特定の七名の株式だけに会社支配権を集中させ、他の株主の発言権を弱めようとする極めて不公正な新株割当であつた。そこで原告らは、昭和四六年三月五日内容証明郵便で被告会社に対し「その取締役であり、昭和四五年二月七日開催の取締役会において自分達にだけ不公正な発行価額による二四〇、〇〇〇株の新株の発行割当を決議した河本喜八郎、河本公兵、河本充祐および堀田正夫を相手取り、商法第二六六条第一項にもとづき不公正な発行価額と公正な発行価額との差額相当の損害賠償請求の訴訟を提起すべく請求し、若し請求書到着後三〇日以内に被告会社が右取締役らに対し損害賠償請求訴訟を提起しないときは原告らにおいて損害賠償請求の代表訴訟を提起する予定である。」旨通知し同内容証明郵便は昭和四六年三月六日被告会社に到達した。

原告らが損害賠償請求の代表訴訟を提起した場合右取締役らはその訴訟の被告として必ず右第(4)号議案決議を盾に「右決議は商法第二八〇条の二第二項にもとづく有効な決議故、自分らには何等法令定款違反の責任はない」旨責任免れの答弁をすると思う。株主総会の決議は、その決議の際、法律上効力がないと了解があつてなされた場合でも、後日役員がその決議が有効であるとして免責を主張する余地があるときは、無効を確認する利益がある。それで、別紙議事録等(4)号議案に対する決議の無効確認の訴に及ぶ。

二、請求原因に対する被告の認否

(一)  第(一)項記載の事実は認める。

(二)  第(二)項記載の事実は認める。

(三)  第(三)項記載の主張は争う。

(四)  第(四)項記載の事実(法令違反という点を除く)は認める。

三、被告の主張

(一)  被告会社は一種の同族会社であるから、上場株の場合と異なり株主総会の通知又は新株発行の通知などゆるやかに解されていい場合である。

(二)  「定款一部変更の件」との記載も招集通知における記載としては必ずしも法令に違反するまでに不備ではない。すくなくとも重要な定款変更の件が議題にのぼつていることは明らかであり、株主としては積極的に株主総会に出席すべきであるから、その権利行使を怠つておきながら記載の特定の不備を問題にすることは権利の濫用である。

(三)  仮に株主総会通知の第(2)項「定款の一部変更の件」が記載として不備であつたとしても、右に基く決議は議事録第(2)号議案「商法第三四八条第一項に依る定款追加の件」であつて右決議は出席株主七名全員一致で可決した。従つて同条の「総株主の過半数」は株主総会の時を基準として考えるべきであるから、仮に原告ら三名が株主総会に出席したとしても決議の結果には影響ないので、右請求は棄却されるべきである。商法第二五一条の裁量棄却の条項の削除は、手続上の瑕疵が決議の結果に影響がないときには、裁判所が請求を棄却できることに影響がない。

(四)  原告らが本件株主総会決議第(4)号議案について、決議取消又は無効を主張する訴の利益がない。右総会決議は既に取締役会で決議された新株発行についてその割当の確認だけに関するものであり、本来その法的必要性のないものについて、より慎重な方法をとつたに過ぎない。殊に授権資本制の下では、新株発行の際の株主の利益を顧慮することは、必しも絶対的でなく、取引の安全に対する配慮が必要で、新株発行後の訴の利益を否定すべきである。本件新株発行について原告ら三名に対して通知を欠いた。しかし他の七名に対しては、少なくとも株主総会の席上で、増資割当の決議と同時に通知を完了した。一〇名のうち三名だけ(株式持数約八%)に通知をかいたからといつて新株全部の発行を無効にすることは著しく法的安全を害する。

(五)  原告らが本件株主総会議事録第(4)号議案について、決議無効確認を主張する「訴の利益」は存在しない。第(4)号議案は被告会社の新株発行に関するものであり、その決議無効の訴の利益は新株発行との関係で間われなければならない。

(1) 代表取締役が会社を代表して新株を発行した以上、それを信頼して新株を引受けるのが当然であるから、取引安全の保護が第一である。従つて重大な法令違反の場合にのみ、新株発行を無効にすべきである。本件事実はいまだ重大な法令違反といえないから新株発行の無効原因ともいえない。

(2) 新株発行無効の為には、新株発行無効の訴によらなければならぬ(商法第二八〇条の一五)。既に新株発行されている本件では、手続および要件を充足しない以上仮に新株発行にかかる本件決議取消の訴が認容されても、直ちに新株発行そのものは無効とならないから、決議取消の請求について訴の利益を欠く。

(3) 決議の瑕疵(それが取消原因であろうと無効原因であろうと)の主張と、その決議に基いてなされた行為の瑕疵の主張との関係については、本件で問題となつている新株発行の場合の外にも合併決議(四〇八条)と合併無効の訴(四一五条)、減資決議(三七五条)と減資無効の訴(三八〇条)との関係の場合にも問題が生ずる。決議取消又は無効確認の訴は、新株発行無効の訴に吸収されるので、決議の瑕疵の主張をするについては訴の利益がない。

(4) ところが、本件の場合効力の有無を問題にしている議事録第(4)号議案はいわゆる効力要件でさえないのであるから、右第(4)号議案の無効を確認したところで果して法律上どんな利益があるだろうか。効力要件としての決議の瑕疵を問題にする場合に比較し、より強い理由で訴の利益は否認されなければならない。

(5) 原告は被告会社の取締役らが将来「右決議は商法第二八〇条の二第二項にも基づく有効な決議故、自分らには何等法令定款違反の責任はない。」旨責任免れの主張をするであろうと述べているが、右取締役らはなんら右のような意見を表明してないから、原告の推測の域を出ないものである。又決議の内容自体に関わらない別の事情(動機等)だけで訴の利益があるならば、すべての決議に対し無限に訴の利益が認められることになり、商法において法的安定性、取引の安全等の観点から決議の瑕疵の原因あるいは提訴期間等を制限している法の趣旨に著しく反することになる。

(六)  被告会社は昭和四五年二月七日開催の取締役会において一二、〇〇〇円の増資および本件新株発行につきその払込期日を昭和四五年三月六日とすることを決議し新株の割当についてだけ株主総会決議の上決める旨決定し(乙第四号証)、本件第(4)号議案は右決議に基づき、提案議決されたので、商法第二八〇条ノ二第二項による決議でない。

(七)  引受人は取締役会の右決議に従い、次のとおり発行価額の金額を払込銀行である東海銀行東片端支店に払い込んだ。

昭和四五年三月五日

堀田幸子

六、六〇〇株分

三三〇、〇〇〇円

堀田正夫

六五八株分

三二、九〇〇円

河本嘉子

一、三二四株分

六六、二〇〇円

河本恭永

六五八株分

三二、九〇〇円

昭和四五年三月六日

河本喜八郎

八七、〇二八株分

四、三五一、四〇〇円

河本公兵

七五、一六〇株分

三、七五八、〇〇〇円

河本充祐

六八、五七二株分

三、四二八、六〇〇円

合計一二、〇〇〇、〇〇〇円

従つて払込期日の翌日である昭和四五年三月七日より二四〇、〇〇〇株の新株発行の効力を生じた(商法第二八〇条の九第一項)。

出資者は新株発行の効力が発生することにより初めて株主となることができるのであつて、商法第二八〇条の九は株主になるためになんらの株券の発行を要件としていない。

四  原告の主張

(一)  裁量棄却については、「改正前の商法第二五一条が削除された現在においては削除前と同様な裁量権が条理上裁判所にあるということができない。このような裁量権は右規定の削除によつて許されなくなつたと、」解すべきである。そして予め総会決議事項の通知をしなかつたことは軽微な手続上の瑕疵ということはできないから、その通知のなかつた事項について株主総会の決議は取消さるべきである。総会招集手続が違法な場合欠席株主の議決権の数を除外してもなお決議は三分の二以上の賛成を得ている場合でも、そのことだけでは決議取消を免れることはできない。なぜならこの場合議決権の数だけが問題となるのではなく、これら欠席株主が適法な通知を受け議案につき相当な準備をなして総会に出席したならば、どんな意見をもつに至るか又その株主の総会における意見の開陳によつて他の株主の議決権の行使がどんな影響を受けるかは全く不明であるからである。決議内容も亦極めて重大であつて株式譲渡の自由という株主の基本的権限の制限を内容とするもの故裁判所の裁量棄却が認められるべき事案ではない。

(二)  商法第三四八条は同法第三四三条よりも要件が加重されていて株主の過半数の出席を必要とする。従つて改めてその適法な通知をなして再度株主総会が開催されたとしたならば必ずしも同一の決議は成立しない。もし原告らが決議不成立に持込みたいと思えばその持株の一部分を第三者に譲渡し、株主数をふやせば株主の過半数の出席が困難となるからである。

(三) 被告主張のとおり新株発行についてその払込がなされたことを認め、株券が発行されていないままで、新株発行の効力が生じたとの主張は争う。

第三、証拠<略>

理由

一、請求原因事実のうち第一項第二項第四項(ただし法令違反の点を除く)は当事者間に争いがない。

二、先ず第(2)号議案の決議について判断する。

(1)  総会招集の通知は株主に会議の目的である事項を記載し、議題を予め知らせ、それについて十分な準備をなさせる目的のものであるから、その内容は右事項を了解することができるに十分な記載でなければならない。本件通知に議案第(2)号「定款の一部変更の件」と記載があつただけでは、株主において具体的に議題の内容を知ることができないし、また推測することも容易でない。右総会において、「被告会社の株式の譲渡は取締役会の承認を要する」旨の定款変更したのであつて、結局前記通知は総会の議事になるべき事項の内容を知ることができる程度に合うとはいうことができない。同通知の記載では、株主はあらかじめ株式譲渡制限について準備する機会を事実上失つてしまうから軽微な手続上の瑕疵ということはできない。<証拠>(株主総会議事録)の第(2)号議案記載と同一の「商法第三四八条第一項に依る定款追加の件」と記載し通知すべきである。

(2)  株主総会招集の手続またはその決議の方法に於いて、性質程度から見て重大な瑕疵がある場合には、その瑕疵が決議の結果に影響を及ぼす事情を問うことなく、裁判所は決議取消の請求を認容すべきである。右見解に反する被告の主張は採用できない。(最高裁判所昭和四四年(オ)第八九号日本サーモ・エレメント株式会社に対する株主総会決議無効確認請求事件昭和四六年三月一八日第一小法廷判決民事判例集第二五巻第二号一八三頁には、次のとおり判示する。株主総会招集の手続または決議方法に重大な瑕疵がある場合にまで単にその瑕疵が決議の結果に影響を及ぼさないとの理由のみをもつて決議取消を棄却し、その決議をなお有効なものとして存続せしめることは株主総会招集の手続またはその決議の方法を厳格に規制して株式会社の適正な運営を確保しもつて株主および会社の利益を保護しようとしている商法の規定の趣旨を没却することになるからである。)

(3)  被告は原告らが株主として積極的に株主総会に出席すべきであり、その権利行使を怠つていながら総会の通知記載の特定の不備を問題にすることは権利の濫用である旨抗弁するが、被告会社が総会の通知に「商法第三四八条第一項に依る定款追加の件」と記載し落度がなければ本件の紛争は生じなかつたであろう。被告は自ら紛争の原因の一端を担つていながら、原告らの不出席を非難することは許されない。従つて、被告の右権利濫用の抗弁は主張自体失当であるから、これを排斥する。

以上の次第で、原告の第(2)号議案の決議取消の請求は認容すべきである。

三、次に第(4)号議案の決議について判断する。

<証拠>によると、被告会社は昭和四五年二月七日開催した取締役会で新株二四〇、〇〇〇株を発行し、発行価格一株五〇円、払込期日昭和四五年三月六日とすることと可決したことが認められ、原告らは被告主張のとおり払込がなされたことを認める。新株がすでに発行された後に、新株発行無効の訴を提起しないかぎり、その新株の発行を無効とする手段がなく、新株発行に関する決議無効確認の訴はもはや確認の利益を欠き提起できないと解するべきである(最高裁判所昭和三八年(オ)第九九二号株式会社後楽園スタジアムに対する株主総会決議無効確認請求事件昭和四〇年六月二九日第三小法廷判決、民事判例集第一九巻第四号一〇四五頁参照)又今更ら株主総会の決議を取消してみても、新株の効力に何ら影響がないから、訴の利益を認めることはできない(最高裁判所昭和三三年(オ)第一〇九七号東亜石油株式会社に対する株主総会決議一部取消請求事件、昭和三七年一月一九日第二小法廷判決、民事判例集第一六巻第一号七六頁参照)。

本件は第(4)号議案に対する決議について、総会招集通知に「その他」の記載が不備であるかどうかの点を判断する必要がない。原告は「将来被告会社の取締役が将来右決議について商法二八〇条の二第二項にもとづく有効な決議故、自分らには何等法令定款違反の責任はない」旨の責任免れの主張をするであろうと主張しているが、取締役らはなんら右のような意見を表明していることを認める証拠はないし又本件ではたとえ無効を確認さても、紛争が終結するわけではない。代表訴訟において紛争が争われるのであるから、別訴で争われるべきである。

従つて原告の右主張を排斥する。確認を求める訴は、本件第(4)号議案の決議無効確認するだけの法律上の利益がないから、その他の点を判断するまでもなく、これを棄却すべきである。

五、よつて原告の本訴請求はその請求の趣旨第(2)号議案の決議取消請求を相当としてこれを認容し、第(4)号議案の決議を理由がないとしてこれを棄却し、訴訟費用については民事訴訟法第八九条第九二条を適用して主文のとおり判決する。

(越川純吉)

河本製機株式会社定時株主総会議事録

昭和四五年二月二二日午前九時、春日井市天神町一番地所在当会社春日井工場会議室に於いて定時株主総会を開催した。

当会社株主総数 一〇名

発行済株式総数の処 七〇〇、〇〇〇株

本日出席株主数 七名

此持株数 六四二、三一〇株

(但し、委任状による出席者を含む)

定刻取締役社長、河本喜八郎氏定款の規定に依り議長となり開会を宣し上記事項を報告し総会は適法に成立した旨を述べ議案審議に入る

第一号議案(自昭和四三年一二月二六日至昭和四四年一二月二五日)営業報告書貸借対照表、損益計算書並びに利益金処分案承認の件。

上記一括上提し議長説明の上賛否を問いたるに満場一致これを承認可決した。

第二号議案 商法第三四八条第一項に依る定款追加の件

議長は昭和四一年の商法改正に依る株式譲渡制限規定商法第二〇四条創設のため詳細に説明しその賛否を総会に諮つたところ満場異議なく之に賛成したので下記の通り定款追加の決議を可決確定した。

定款 第八条

当会社の株式を譲渡するには取締役会の承認を要するものとする。

第三号 議案監査役任期満了による退任の件

議長より本株主総会を以つて監査役任期満了する旨を告げ監査役の退任を諮つたところ出席株主より選挙との動議あり満場異議なく之に賛成したので選挙の結果下記の者が選任され同氏はその選任を承諾し直ちに就任した。

江南市大字木賀一〇六二番地

監査役 祖父江釤之助(重任)

第四号議案 増資の件

議長は、嚢の取締役会の決議により会社経営上一二〇〇〇、〇〇〇円の増資確定をみたがその増資方法として下記の者に夫々割当てたい旨を詳細に説明し総会に賛否を問うたところ満場異議なく之に賛成したので可決確定した。

名古屋市千種区松竹町二丁目四五番地の三

河本喜八郎 八七、〇二八株

名古屋市東区布池町三二番地

河本公兵 七五、一六〇株

名古屋市東区布池町三二番地

河本充祐 六八、五七二株

名古屋市昭和区菊園町二丁目一五番地

堀田幸子  六、六〇〇株

名古屋市昭和区菊園町二丁目一五番地

堀田正夫    六五八株

名古屋市東区布池町三二番地

河本嘉子  一、三二四株

名古屋市東区布池町三二番地

河本恭永    六五八株

以上を以つて本定時株主総会の議事を終了したので議長は閉会を宣し散会した。

前記決議を明確ならしむる為此の議事録を作成し議長及び出席取締役次に記名捺印する。

昭和四五年二月二二日

名古屋市東区布池町一番地の八

河本製機株式会社

議長出席取締役  河本喜八郎

出席取締役    河本公兵

〃       河本充祐

〃       堀田正夫

〃       黒田長

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